「別にたいした事言ってないけど。今日も彼氏いないの?」

「仕事忙しいみたい。」

青山は、いつもアパートにいて

あの野獣と外でデートとかするのかな

「彼氏と夏休み、どっか出掛けないの?」

「うーん。出掛けない。」

「せっかくの夏なのに、もったいないなあ」

「本当はナオちゃん、家族と海に行った。」

そう言って青山は目に涙を浮かべた。

「海ねぇ」

俺は冗談絡みで言ってみた。

「じゃ、俺と行くか?」

…シーン

青山が苦笑いをした。

「いや。」

「酷いな。」

嫌って

そんな嫌か。

俺は笑いながら少し切なくなった。