初めて下の名前を呼ばれたこと。

「俺のフルネーム知ってたんだ」

「え?当たり前じゃない、同じクラスなのに」

青山は笑い出した。

「でも、学校じゃ一言も口聞かないじゃん」

「そうだけど、名前くらい分かるよ」

「そっか」

「そういえば、聞いて?」

それから青山は、マシンガントークで彼氏(ナオちゃん)の話を始めた。

ナオちゃんは背が180センチもあるとか

ハンバーグが好きとか

くだらないことをいくつも聞いて

俺は大嫌いな

ナオちゃんについて詳しくなった。