それからは、たまに向こうから呼ばれる事もあった。

「篠崎くん、いるんでしょー?」

「なんだよ寝てたのに」

本当は起きてても、面倒そうに出て行くのが、精一杯の照れ隠しだった。

「いいじゃん。暇なんだもん。」

「また彼氏、実家帰っちゃったのかよ」

「うん」

たまに、本当に学校にいる青山なのかって思うくらい、よく喋る。

「って言うか、それで良いわけ?」

「何が?」

何がって…

こいつ本当に自分が不倫してる事分かってんのかな?

「お前、結構バカだよな」

「お前って言わないでよ。青山 静って名前があるんだから」

「お前、静かじゃねーし」
「うるさい。篠崎くんだって、優しくないじゃん」

「は?」

「優斗(ゆうと)って名前、せっかく良い名前なのに」

「うるせーよ」

ヤバイ、嬉しい。
何が嬉しいかって…