DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


翌日、柊音は
それを飯岡に託す


「飯岡さん...
 これ...」


「?」


封筒の中を確認する飯岡


「飯岡さんに預けます
 
 時期を見て飯岡さんが
 提出して下さい」


「いいのか?」


「はい。

 契約上の問題とか
 いろいろあると思うし」


「恋は盲目...

 とも思ったが以外に
 考えているんだな」


「...」


「マスコミがもう何やら
 嗅ぎ付けているようだ
 まぁ、どこも確証のない
 事実からはほど遠いがな

 だが、スポンサーからは日々
 問い合わせが殺到だ...」


「...そうですか
 ご迷惑をおかけします

 俺の今の立場は
 やっぱり簡単じゃ
 ないんですね」


「?」


「乙羽が...

 それにサインするのに
 何時間も戸惑ってて...

 それを見たら
 何だか自分の判断が
 甘いのかなって思えてきて
 
 俺はただ...
 欲しいものを手に
 入れたいだけなのに

 俺の考えが
 幼稚なのかなって...
 
 乙羽や...
 メンバーや、事務所に
 迷惑かけている
 だけなのかなって...」


彼らにとって恋愛は
デメリットでしかないと
思っていたが

そうでもないようだ...

相手にもよるだろうが
時に恋愛は
良くも悪くも
人を成長させる

あの柊音が
誰かを想う事で
自分の立場を
理解し始めた

だが、芸能界は所詮
汚い大人の世界...

純愛話が通用するのは
大金が絡んだ時だ...


「飯岡さん?」


柊音が飯岡の顔を覗き込む


「...ぁ、ぁぁ

 じゃ、これは
 一応、預かっておく」


「お願いします」


柊音は丁寧に頭を下げ帰っていく


「フゥー...」


大きなため息と共に
婚姻届を胸の内ポケットに
しまう飯岡