DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


楽しかったペンションから
戻ると柊音は乙羽に
白い封筒を手渡す


「俺の分は
 書き込んであるから」


封筒の中を覗き込む乙羽


「コレ...

 本当に...
 あたしなんかで
 ......いいの?」


乙羽はずっと
胸の中にあった疑問を
ぶつける


「は? 何それ...」


「...」


「...ゴメン

 乙羽の気持ちも...
 分かる..よ...
 
 確かに...

 この先、いろいろと
 困難はあると思う...

 でも、もう...
 俺の描く未来には
 乙羽がいる...
 乙羽じゃなきゃ
 この決断は
 きっと、なかった...」


そう言うと柊音は
乙羽に封筒を託し
撮影へと出かけていった

一人、部屋に残された乙羽は
テーブルの上に
「婚姻届」を広げる


 柊音と結婚なんて本当に
 許されるのかな...?


柊音のことを
想えば想うほど
名前を書き込むことが
できない乙羽


「俺と気持ちが
 同じじゃないってコト?」


 ハッ...


振り返るとさっき
出かけたはずの柊音が
乙羽の背後から用紙を
覗き込んでいる


「ぇ?
 さ、撮影は...?」


「終わったよ」


時計を見ると
あれからだいぶ
時間が経過している


「もしかして...

 あれからずっと
 にらめっこしてたの?」


「...」


「俺、もしかして...
 一人で先走ってる?

 乙羽の気持ち...
 考えてやれてないのかな」


「そんなこと...」


「前にも言ったよね

 考え過ぎんな...って」


コクリうなずく乙羽

柊音はそっと
乙羽の頭を撫でる


「乙羽の不安も
 分かる..よ...

 でも...
 その不安を乗り越えて
 こっち側に来て欲しい」


 ...シオン


乙羽は静かにペンを取り
名前を書き込み判を押す


「...ぁりがとう」


そう言って柊音は
乙羽の額にKISSをした