DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


「...

 飲み過ぎたついでに
 言っておくが...

 俺は...
 お前がキライじゃない...」


驚いた...

飯岡の口から
そんな言葉が聞けるなんて


「まぁ...
 
 だからと言って
 アイツらの感情とは
 違うがな...」


外にいる二人へ
視線を向ける飯岡


 ァハ..
 そりゃそうだ


「...
 何だ..ァレだ...//

 娘..みたいな
 そんな..感じだ..//」


 クス...
 言った側から
 もぅ、後悔してる...


照れる飯岡を前に
乙羽がクスリと笑う


「ま...
 
 お前にしてみれば
 迷惑な話かも
 知れないがな」


「そんな...
 嬉しいです//」


「...そか//
 
 分かっていると思うが
 今の柊音とじゃ
 普通の生活は
 まず、無理だ
 
 結婚も当分は
 公にするつもりはない

 ......
 悪く思わないでくれ」


「...ハイ
 分かっています」


 柊音を...
 継ぎとめる為に
 許された結婚...

 結局、あたしは今も


 DOLLのまま...



 あまり深く
 考えないように
 していたけど

 やっぱり...

 あたしには...
 避けて通れない現実

 なのかも知れない


悲しげな
瞳を落とす乙羽

それを見た飯岡は


「お前は異例だ

 だからあまり
 深く考え込むな


 何か困ったコトがあったら
 遠慮なく俺に言え
 
 共にヴァージンロードを
 歩いた身だ

 お前らのつまらん
 悩みなど俺が
 聞いてやる...」


ただの...
石ころ同然だったあたしは
飯岡に拾われここにいる

無口でぶっきらぼうだけど
あたしは...

飯岡の優しさを知っている


「ぁりがとう、飯岡さん」


あたしは溢れそうな涙を
必死でこらえ
飯岡に頭を下げた



「長い間、あいつらと
 共に仕事してきたが...

 あいつらの、あんな顔
 見るの初めてだ...

 あいつら...
 あんな顔で笑うんだな

 お前が来てから
 見えるようになったものが
 たくさんある...」


そう言うと飯岡は
煙草をくわえると
外へ出て行った


 クスッ...
 
 飯岡さんって
 10文字以上
 しゃべれたんだ...


去っていく飯岡の
背中を見ながら
乙羽は静かに涙を拭う