DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


社長から許しを得たことで
完全に浮かれ舞い上がる柊音を
飯岡が呼び止める


「柊音!!
 ちょっといいか?」


「? 何すか?」


「社長から許しが
 もらえたそうだな...」


「...ハイ」


喜ぶ柊音とは反対に飯岡は
今にも大きなため息を
吐き出しそうな表情を見せる


「実は...」


「飯岡さん...

 俺、誰が何と言っても
 乙羽と結婚するから!!」


「...ぁぁ。

 ご家族には...
 ちゃんと伝えたのか?

 物事にはちゃんと...」


「言いたいのは

 俺の家族にはちゃんと
 伝えたのか?ってこと?」


「ぃや...
 実は...

 公への公表を控えたい」


「はぁ?何で?」


「今度のツアー最終日に
 お前の口から直接
 会場のファン達に伝えたら
 その様子を一度だけ
 FC(ファンクラブ)の
 会報誌に載せる

 そして今後一切
 結婚に関しては口を
 固くつぐんでもらう」


「...」


「これは...
 お前の為であると同時に
 乙羽を守る意味も持つ

 言ってる意味..分かるか?」


「...ぁぁ。」



事務所には
暗い過去がある...

人気絶頂期に結婚を発表し
熱狂的ファンに刺された
暗い過去...

今、俺はまさに
同じ道を歩もうとしている...

まだ駆け出しだったが飯岡は
そのタレントのマネージャーだったと
聞いたコトがある

守れなかった自分を今でも
悔いているとか...


「あの時の二の舞いは
 二度とゴメンだ」


静かに唇を噛みしめる飯岡