DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


「涙は...
 
 人間にしか
 流せないんだよ...」


そう言い優しく
乙羽の涙を拭う柊音


「分かった...

 案外、乙羽も
 頑固なんだな」


「...」


「乙羽は...
 優し過ぎるよ

 自分の事を考える前に
 俺の事やいろんな人の事を
 考えて結局、自分の事は後回し

 そんな乙羽だから
 もぅ...
 乙羽には聞かない...」


 ...?


「俺は乙羽の...
 本当の気持ちが

 .....知りたいんだ」


そう言い乙羽を
抱き寄せる柊音


「ぇ? 柊音???」


「大丈夫...

 本能が赴くままに
 してごらん...」



 ...本能?



キョトンとする乙羽


「俺のコト、嫌いなら
 全力で拒否ってよ
 
 簡単だろ?

 蹴るなり
 押しのけるなり
 俺のこと全力で...

 否定してみろよ」


 ど、どういう..こと...?
 
 何を..
 言ってるの?


とまどう乙羽をよそに
瞳を伏せた柊音の顔が
乙羽に近づく


 嫌いなら...
 拒否すればいい...

 ただ
 それだけのこと...


ただ、顔を横に背け
柊音の唇を拒否すればいい

「助けて!」と
悲鳴をあげれば
きっと誰かが
駆けつけてくれるはず


それなのに...
それなのに...


涙がどんどん溢れ出て


柊音の唇を
背く事ができない


 あたしは...
 ズルイ女だ...