DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


まだ痛々しく巻かれた
乙羽の左腕の包帯を
優しくさする柊音


「乙羽...」


乙羽は顔を上げ
柊音を見上げる


「俺に...

 この傷の責任を
 とらせてくれないか」


「!!」


驚いた乙羽が
柊音の体を突き放す


「コ..コレは...
 自分でやったの...

 こんな醜い傷で
 柊音を...

 縛る為に
 やったんじゃない...」


「分かってる!
 分かってるよ!!

 でも...
 このままじゃ...」


拳をグッと
握り締める柊音 


「乙羽は...
 
 俺の側にいる理由が
 必要なんだろう?」


「...」


 図星だった...
 
 DOLLだって
 何だっていい...

 あたしが
 柊音の側にいるには
 理由が必要だった
 でも...

 今のあたしは
 DOLL契約も解消されて...

 柊音の側にいる
 理由なんて
 何一つ...

 ない...


「この傷も...
 額の傷も...
 
 全部、俺が...
 悪いんだ...

 俺が守って...
 やれなかったから...
 
 
 だから頼む...

 俺に...
 この傷の責任を
 取らせてくれよ
 
 じゃなきゃ...
 
 この普通じゃない世界に
 乙羽を引き止める理由が
 
 他に見つからないんだ...」


 シオ..ン...


「もぅ、俺は...
 知ってしまったから
 戻れないんだ...」


「?」


「乙羽のいない
 生活には...

 戻れない...


 それでも
 どうしても俺の前から
 消えるっていうなら...

 俺の頭の中から
 乙羽の記憶を全て

 消して行ってくれ...」


 シオン...


柊音の気持ちに
応えられずただ...
うつむくことしか
できない乙羽


「乙羽...

 
 一つだけ...
 確認していい?」


真剣な面持ちで
乙羽を正面に立たせる柊音


「?」