DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


「今回は...
 
 西山にも非があったから
 契約金を返す必要はない

 違約金も生じない...」


「...」


「兄貴の保険がおりれば
 残りの借金も何とか片付く
 
 相手側からの
 賠償金が降りれば当分
 お前一人が生活するのに
 事欠くこともないだろう...」


「ありがとう 飯岡さん。」


「...//

 礼を言われる筋合いはない

 お前の兄貴が金を
 借りてた金融は「身売り」で
 有名な会社だった...

 どの道、売られる身体なら
 俺が買っても同じだと
 思ったまでだ...
 
 まさか、お前の兄貴が
 あの若さであんな多額の
 保険に入っていたとは
 思いもしなかったしな...」


飯岡がどんなに悪びれようとも
そのサングラスの奥に隠された
優しい瞳を
あたしは知っている

短い間だったけど
あたしは何度、飯岡に
救われただろう...


真っ暗な暗闇の中で
ただ、沈んでいくあたしを
引き上げてくれたのは
飯岡だった

あの時、飯岡の手を
掴まなければ
あたしはもっと深い
闇の奥へと
落ちていただろう

飯岡に出会い...
柊音や桜木に出会って
あたしは救われた...


そんな彼らに何一つ
返すことなくあたしは

明日
ここを去る...