「実は...
下に警察の人が来ている」
「...警察?」
「...ぁぁ
ちょっと...
聞きたいことがあるそうだ」
「...?」
「呼んでも大丈夫か?」
あたしは静かに頷く
すると飯岡は
病室を出て警察の人を呼びに行く
しばらくすると
制服を着た若い警官と
スーツ姿の年配のおじいさんが
部屋にやってくる
「こんにちは
森園 乙羽さん?」
「...ハイ」
恐る恐る返事をすると
「こんな時に申し訳ないね
ちょっと確認したいことがあって...」
あたしが起き上がろうとすると
「ぁぁ、そのままで結構ですよ
我々、○○署の
浅井と藤沼といいます
ちょっとした確認事項なんで
すぐに済みますよ
答えたくないことは無理に
答える必要もありません」
優しい笑顔の警察官
「ぇ~と...
大体のお話は飯岡さんから
お伺いしておりまして...
どれも形式的な質問なんで
本当、気を悪くしないで下さいね
先程も申し上げたように
答えたくないことには
無理に答えなくても結構ですので...」
「ハイ」
「まず...
ご自分がここにいる理由を
理解していますか?」
「...ハイ」
「そうですか...
救急隊員の話では
西山孝之という男性の家の浴室で
自分自身を傷付けたと聞いていますが
西山孝之とあなたのご関係は?」
「...」
あたしが答えられずに下をうつむくと
「いいですよ
んじゃ...
その...
傷の話になるんですが...
それは本当に
ご自分で傷付けたんですか?」
「...ぇ?」
警察官の質問の意味が分からず
顔を見上げる
「ぃやね...
...誰かに無理矢理
傷つけられたとか...
...ないですかね?」
「...どういうことですか?」
警察官の言葉に
あたしは思わず聞き返す
「...イヤ
実はですね...
自分で自分自身を
傷をつける場合
その恐怖心から一度で
命を絶つ程の傷をつけることは
非常に難しく...
普通ならこう...
何度も何度も
同じ箇所を切りつけるんです...
我々はそれを
「ためらい傷」と
呼んいるんですが...
自分で自分を
切りつけるという行為は
怖いし、痛みも伴う...
だから、少しずつ何度も
同じ箇所を切りつけて徐々に
傷の深みを増していくんですが
君の場合、致命傷となる傷が
手首と内腕部に一つずつ...
薬物やアルコールの反応も
見られない状況で
あそこまで深く自分自身を
傷つけられるもんなのかと...
仮に...
誰かが故意に
傷つけたとしたら...」
「ありません...
これは...
あたしが自分で
傷付けたんです」
驚いた...
これ以上、自分が
傷付く事に
耐えられなくて...
西山から逃れる為
必死にやった事が
こんな事になるなんて...
「しかし...
いくら彼の気を
引く為とはいえ...」
...ぇ?
「彼に、別れ話を
切り出されたからって
何もそこまで
思いつめなくても...
キミはまだ若いんだし...
男は彼だけじゃない
この藤沼だって
いい男でしょ?
まだ、独身なんですよ」
スーツ姿の年配警官が
制服警官を指差す
制服警官は少し
照れくさそうに笑っている
「自分をもっと
大事にしなきゃ...」
「...ハイ」
「一応ね...
彼の方にも今
事情を聞かせて
もらっているんだけどね」
...ぇ?
「彼は...
関係ありません」
「関係ないって...」
「本当です!!
あたしが勝手に
やった事なんです!!」
あたしは思わず興奮して
ベッドから落ちそうになり
警察官に受け止められる
飯岡が呼び戻され
側に付いているよう言われる
「あんまり
興奮しないで...
ただ、話を...
聞いてるだけだから」
警察官が優しくなだめる
「確かに...
誰かに無理矢理
押さえつけられたような
圧迫痕も見られなかったし
看護師の資格を持つキミなら
確実に致命傷に至る血管を
知ってても不思議じゃない」
「本当に...
本当に、あたしが自分で
勝手に傷つけたんです...」
「分かりました
分かりましたから
落ち着いて...
ゆっくり休んで
早く元気になられて下さい」
警官はこれ以上
あたしを興奮させまいと
部屋を出て行く
廊下でしばらく飯岡と話をした後
「では、森園さん
早く元気になられて下さい
我々はこれで失礼します
ご協力ありがとうございました」
そう言って帰っていった
下に警察の人が来ている」
「...警察?」
「...ぁぁ
ちょっと...
聞きたいことがあるそうだ」
「...?」
「呼んでも大丈夫か?」
あたしは静かに頷く
すると飯岡は
病室を出て警察の人を呼びに行く
しばらくすると
制服を着た若い警官と
スーツ姿の年配のおじいさんが
部屋にやってくる
「こんにちは
森園 乙羽さん?」
「...ハイ」
恐る恐る返事をすると
「こんな時に申し訳ないね
ちょっと確認したいことがあって...」
あたしが起き上がろうとすると
「ぁぁ、そのままで結構ですよ
我々、○○署の
浅井と藤沼といいます
ちょっとした確認事項なんで
すぐに済みますよ
答えたくないことは無理に
答える必要もありません」
優しい笑顔の警察官
「ぇ~と...
大体のお話は飯岡さんから
お伺いしておりまして...
どれも形式的な質問なんで
本当、気を悪くしないで下さいね
先程も申し上げたように
答えたくないことには
無理に答えなくても結構ですので...」
「ハイ」
「まず...
ご自分がここにいる理由を
理解していますか?」
「...ハイ」
「そうですか...
救急隊員の話では
西山孝之という男性の家の浴室で
自分自身を傷付けたと聞いていますが
西山孝之とあなたのご関係は?」
「...」
あたしが答えられずに下をうつむくと
「いいですよ
んじゃ...
その...
傷の話になるんですが...
それは本当に
ご自分で傷付けたんですか?」
「...ぇ?」
警察官の質問の意味が分からず
顔を見上げる
「ぃやね...
...誰かに無理矢理
傷つけられたとか...
...ないですかね?」
「...どういうことですか?」
警察官の言葉に
あたしは思わず聞き返す
「...イヤ
実はですね...
自分で自分自身を
傷をつける場合
その恐怖心から一度で
命を絶つ程の傷をつけることは
非常に難しく...
普通ならこう...
何度も何度も
同じ箇所を切りつけるんです...
我々はそれを
「ためらい傷」と
呼んいるんですが...
自分で自分を
切りつけるという行為は
怖いし、痛みも伴う...
だから、少しずつ何度も
同じ箇所を切りつけて徐々に
傷の深みを増していくんですが
君の場合、致命傷となる傷が
手首と内腕部に一つずつ...
薬物やアルコールの反応も
見られない状況で
あそこまで深く自分自身を
傷つけられるもんなのかと...
仮に...
誰かが故意に
傷つけたとしたら...」
「ありません...
これは...
あたしが自分で
傷付けたんです」
驚いた...
これ以上、自分が
傷付く事に
耐えられなくて...
西山から逃れる為
必死にやった事が
こんな事になるなんて...
「しかし...
いくら彼の気を
引く為とはいえ...」
...ぇ?
「彼に、別れ話を
切り出されたからって
何もそこまで
思いつめなくても...
キミはまだ若いんだし...
男は彼だけじゃない
この藤沼だって
いい男でしょ?
まだ、独身なんですよ」
スーツ姿の年配警官が
制服警官を指差す
制服警官は少し
照れくさそうに笑っている
「自分をもっと
大事にしなきゃ...」
「...ハイ」
「一応ね...
彼の方にも今
事情を聞かせて
もらっているんだけどね」
...ぇ?
「彼は...
関係ありません」
「関係ないって...」
「本当です!!
あたしが勝手に
やった事なんです!!」
あたしは思わず興奮して
ベッドから落ちそうになり
警察官に受け止められる
飯岡が呼び戻され
側に付いているよう言われる
「あんまり
興奮しないで...
ただ、話を...
聞いてるだけだから」
警察官が優しくなだめる
「確かに...
誰かに無理矢理
押さえつけられたような
圧迫痕も見られなかったし
看護師の資格を持つキミなら
確実に致命傷に至る血管を
知ってても不思議じゃない」
「本当に...
本当に、あたしが自分で
勝手に傷つけたんです...」
「分かりました
分かりましたから
落ち着いて...
ゆっくり休んで
早く元気になられて下さい」
警官はこれ以上
あたしを興奮させまいと
部屋を出て行く
廊下でしばらく飯岡と話をした後
「では、森園さん
早く元気になられて下さい
我々はこれで失礼します
ご協力ありがとうございました」
そう言って帰っていった

