DOLL・・・ ~秘密倶楽部~

集中治療室に運ばれる乙羽を追いかけて来た西山も
扉の前で止められ中には入れず一人、呆然と立ち尽くす

中途半端に赤く染まったジーパンに
左右ちぐはぐなスリッパ
顔や手にも乙羽の血が付いている


「クソッ...」


西山は携帯を取り出し
飯岡に電話をかける

西山の電話から
10分もしない内に
飯岡が病院へ駆けつける


「...西山」


飯岡が声をかけると西山は
何かを求めるように無言で手を伸ばす


「すまない...
 
 すぐに来たから
 服は持ってない...」


「近くに何かあんだろ」


「...ぁぁ。

 ここは俺が付いてるから
 お前は帰れ」


飯岡が車の鍵を西山に差し出す


「...寝ぼけんな」


「ここは直に、マスコミが殺到する」


「...」


飯岡の言葉にも西山は
一点を見つめたまま
動じることはない