DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


「...オイッ!! オイッ!!

 .....クッソ!!」



 誰...?

 誰かがあたしを
 起こしてる...?

 ダメ...
 
 今はすごく..眠い...

 瞼が重くて...
 思うように開かないの...


 少しだけ...
 少しだけでいいから
 眠ら...せ..て...



西山が思いっきり
乙羽の頬を叩いても
目を開けない


「チッ、クソッ...」


西山は真っ赤に染まった
バスタブの中から乙羽を抱え出し
左上腕部をタオルでキツく縛り止血すると
すぐに気道を確保し人工呼吸を施す

すると乙羽は
苦しそうにむせて咳をする


「よし...
 水は飲んでないな...」


西山は乙羽を抱え浴室の外に出ると
濡れた髪をタオルで巻き
側にかかっていた自分のバスローブで
乙羽の身体を包み込み
乙羽を抱えたまま携帯電話で
救急車を要請した

救急車はすぐに到着し
「こちらに乗せて下さい」と言う
救急隊員を弾き飛ばし
「俺が運ぶ」そう言い西山は
乙羽を用意された担架へ乗せずに
自分で抱き抱えたまま
救急車へと向かう

乙羽の血で真っ赤に染まった
西山を見て住人や通行人がざわめく中
西山は人目も気にすることなく
救急車へ乗り込んだ


「あの..
 彼女の容体を確認したいので
 こちらに寝かせていただけませんか...」


救急車の中で隊員が丁寧に
説得するも西山はそれを頑なに拒否


「分かりました
 では、そのままあなたが
 抱えたままでも構わないので
 彼女を看てもいいですか」


それでやっと
乙羽を救急隊員へ診せる西山


 すごい...
 応急処置は完璧だ...

 彼女の体温も保たれている


救急車が病院へ着くと
安心したのか
「治療室へ運ぶので担架に乗せて下さい」という
救急隊員の言葉に素直に従う西山