DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


「ぁんだよ!!
 引っぱんなっ!!」


柊音は五十嵐の腕を振り払う


「お前、マジかよ!!
 
 西山さん怒らせたら
 どうなるか...」


そこへ電話を終えた
飯岡が戻ってくる


「西山さん何て?」


成瀬がすぐに飯岡に聞く


「分からん...
 
 途中で電話が切れた
 恐らくコッチに向かってる」


どうやら波乱は
避けられそうにもない

全員の顔色が青ざめる


「翔耶...
 頼みがあんだけど...」


「ぁぁ。 いいぜ」


事の重大さを
理解している桜木には
柊音の言いたい事が
分かっている様子で
携帯を取り出すとすぐに
マネージャーを呼び寄せる

柊音は乙羽の元へ行き


「乙羽...

 乙羽は、ひとまず
 翔耶ん家に行ってて」


「ぇ..でも...」


「森ちゃん...
 
 今、俺のマネージャーが来るから
 一緒に俺ん家に行ってて」


携帯を切りながら桜木が
優しい口調で言う


 そんな...

 今の状況がどれほど
 緊迫しているのか
 あたしだって
 理解できている

 それなのに...
 あたしだけ
 
 桜木さん家に...


「翔耶、お前まで
 何、考えてんだよ!!
 
 西山さんがココに
 来るかもしんないのに
 その娘がいなかったら...」


メンバーの五十嵐は
西山の恐怖におののき
柊音と桜木に必死で訴える


「悪りぃ..五十嵐...

 お前が言ってる事も
 分かるけど...

 乙羽だけは...
 西山さんに渡せない


 お前だって
 知ってんだろ?
 
 西山さんの話


 DOLLに対する扱いが
 異常って...

 もう、何人も廃人同然に
 しちまってるらしい...


 そうだろ? 飯岡さん」


柊音が飯岡の方を見る


「.....」


飯岡は何も言わなかった


「乙羽は...

 一度、西山さんに
 酷い扱いを
 受けているんだ...」


「何だよ...
 そんなの...

 全て覚悟の上で
 DOLLになったんだろう?
 
 だったら...」


バキッッ!!


突然、後方によろける五十嵐


「...痛ってぇ

 何、すんだよ!!!」


今まで静かに
話を聞いていたメンバーの
宮本 一樹(ミヤモト カズキ)に
殴られ、逆上する五十嵐


「...お前、ビビリ過ぎ...」


本宮に言われ
ようやく、冷静に
周りを見渡す五十嵐

みんな自分のように
怯えてる様子はない


「...分かったよ」


5対1ではもはや
どうしようもない

ふて腐れながらも
立ち上がる五十嵐


「五十嵐...
 悪りぃな...

 お前らまで
 巻き込んじまって...」


「ケッ...

 全くだぜ」


あきらめて
覚悟を決める五十嵐

他のメンバーも
もう心を決めた様子で
どっしりと
その場に構えている


「みんな...
 悪りぃ...」


柊音が申し訳なさそうに
頭を下げる


「まぁ、とにかく
 森ちゃんを早く
 ココから出さないと...」


焦る桜木がもう一度
マネージャーに電話をかける


「ぁぁ。」