DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


ガチャガチャ.. バタン
ドタ、ドタ、ドタ...

騒々しくなるドアの向こうに
乙羽の足は自然に
部屋の奥へと後ずさりする


ガチャ!!


突然...

部屋の扉が勢いよく
開かれたかと思うと


「森園乙羽

 西山孝之からの指名だ!!
 すぐに荷物をまとめろ」


 ぇ..飯岡..サ..ン...?
 
 ....ニシ..ヤマ...?


声を荒げる飯岡の背後で
メンバーが柊音を制止している


「飯岡、テメェ!!
 勝手に入んな!!」


メンバーの制止を振り切り
部屋に入ってきた柊音は
乙羽の前に立ちはだかる


柊音の背後で
再び脳裏に蘇る
悪夢に怯える乙羽


「俺がまだ
 契約期間中のはずだろ?」


「そうだな...

 大人の事情だ
 すまんが察してくれ」


熱を持たない冷たい言葉の飯岡


「何だよそれ...」


「お前もここの仕組みは
 分かってるだろう?」


「...」


飯岡が柊音の背後にいる
乙羽の腕を捕まえる


「来い」


強引に乙羽の腕を引っ張る
飯岡の腕を柊音が払いのける


「どうせアンタが全部
 仕切ってんだろ?」


「ぁぁ、それがどうした」


「だったら今ここで
 俺と乙羽を解雇してくれ」


 シオン...


「乙羽にはもう
 DOLLなんてさせない」


「お前何か勘違いしてないか?
 
 乙羽は俺と契約したんだ
 お前じゃない
 
 俺と契約した乙羽を
 お前と俺が契約して
 お前に貸したんだ

 それをお前が勝手に
 DOLLを辞めさせるだと?」


「ざけんなっ!!
 
 貸すとか返すとか
 乙羽はモノじゃない!!」


「お前の方こそ
 ふざけるな...

 乙羽は事務所がお前ら与えた
 DOLL(=オモチャ)だ」


冷たく裂くような
飯岡の言葉が電気みたいに
ビリビリと乙羽の体に流れ込む


治りかけてた古傷が
パックリと開き再び
ジンジンと痛み始める