翌朝...
何やら騒々しい物音で
目を覚ます桜木
「ぅ..ん...
な..に...?」
眠い目をこすりながら
すでに目を覚まし
ベッドに座る乙羽に尋ねるが
乙羽も不思議そうに
首をかしげている
どうやら隣のリビングから
大音量の音が聞こえるようだ
「...ぁんだよ
...一体」
最悪の寝起きに桜木は
イライラと頭を掻き毟りながら
寝袋を這い出る
ガチャ
リビングヘ出ると
「ぁ、起きた!!
遅いぞ!!
早起きは「三文の徳」って
言うだろ?」
そう言い柊音は
TVの音を最大にして
ラジオ体操をしている
「はぁ。。。」
深いため息を吐き出しながら
頭をかき座り込む桜木
「とにかく...
音下げろ...」
「ぇ? 何?」
「.....(怒!)」
桜木はスタスタ歩き
TVの主電源を切る
「ウルセー!っつったの!!
ったく...
今、何時だと...」
時計を見た桜木が固まる
ったく...
フザけんなよ...
夕べは中々、寝らんなくて
確か4時過ぎまで起きてた...
ぁれから一時間半しか
経ってねぇじゃねぇか...
桜木は一人
脱力して座り込む
そこへ
「ぉ、ぉはよ」
乙羽が部屋から出てくる
「おはよ♪乙羽
よく眠れた?」
「ぅ、ぅん...」
乙羽の雰囲気から
桜木と何もなかったコトを
悟った柊音は一人
ホッとした表情を浮かべる
それを見逃さない桜木は
柊音の顔を見て気付く
目は赤く充血して
目の下には酷いクマが出来ている
フラフラと洗面台へ向かう柊音に
必死に笑いをこらえる桜木
アイツ...
寝てないでやんの
ククク...
そんな二人のやりとりが
まるでいたずらっ子の
兄弟のようで...
乙羽はしばらく
二人の成り行きを
見つめることにした
入金額が上の人と
部屋を共にする...
しばらくそんな日々が
続くも、二人が乙羽に
触れるコトは決してなかった
そして...
そんな日がやがて一週間を
過ぎようとしていたある日
今日は柊音が
部屋に入ってくる
「ただいま♪」
柊音が乙羽を
そっと抱き寄せる
「ゴメンな...
変な事に巻き込んで
翔耶のヤツ...
いつになく意地張るから」
「...」
「乙羽?」
「ぇ?」
「大丈夫?」
「ぅん」
「...そっか
俺は全然
大丈夫じゃない...」
...シオン
「乙羽...」
「ん?」
「...やっぱ
何でもない」
何かを聞きかけて
やめる柊音
乙羽はそれが何なのか
何となく見当がついた
桜木がお金を払って
乙羽と部屋を共有する以上
桜木が乙羽に
何をしようと勝手で...
大金と引き換えに
自分を売った乙羽も
契約に破れた柊音も
それを拒む理由は
どこにも..ない...

