リビングで
乙羽の姿を見つけた柊音は
ホッとした表情を見せる
突然の柊音に驚く乙羽
「..シ..オン...」
すぐにでも乙羽を
抱きしめたい衝動を抑え
柊音は乙羽に笑顔を見せる
乙羽も笑顔を見せるが
どこかよそよそしく
柊音から瞳をそらす
そんな不自然な
ぎこちなさに柊音は
グッと拳を握り締める
「翔耶...
俺も今日から
ココに泊まるから...」
ぇ...
「はぁ?
バッカじゃねぇの?
何でお前と...」
「決めたんだよ!!」
開き直る柊音
「決めたぁ?
何?お前
どっか頭でも
ぶつけたわけ?」
「ぃや...」
「ぃや...って
じゃ、何?
俺にDOLLの扱い方でも
教えてくれる訳?」
桜木がわざと
柊音を挑発するような
言葉を言うと柊音は
「...ぁぁ、そだ
俺、ワイン持ってきたんだ」
桜木の挑発を
軽く受け流し柊音は
カバンの中から
ワインを取り出す
そして、そのワインを
ガシャーン!!
わざと床の上に
落として割った
「!!」
驚く桜木と乙羽
毛足の長いカーペットが
見る見る紅く染まっていく
「ぉわっ!!!
バッカ! お前
何してんだよ!!」
「悪りぃ...
怒りで手が滑った」
冷たく放たれた
柊音の一言に
慌ててティッシュで
押さえる桜木の
動きが止まる
「...」
そして桜木は
そのまま何も言わずに
キッチンへタオルを取りに行く
「...シオン」
乙羽が心配そうに
見つめる
「トワ...
大丈夫? ゴメンな...
後は俺がやるから
乙羽は部屋に...」
「でも...」
柊音は乙羽に背を向け
ティッシュでワインの染みを押さえる
乙羽は静かに
奥の部屋と入る
パタンと
部屋の扉が閉まると同時に
桜木がキッチンから
固く絞ったタオルを
いくつも持ってくる
「悪りぃな桜木...
俺、やるから...」
「ったりめぇだろ?
ついでにカーペットも
弁償しろ!!」
「ぁぁ。」
柊音は桜木の顔を
見ることなく割れたボトルの
ガラス片を集める
「いくら森ちゃんを
逃がす為だからって
フツー、人ん家のフロアーで
ワイン割るか?」
「ぁ..
やっぱ、バレてた?」
「クソ芝居なんか
しやがって...」
「もし、乙羽に...
何かあったら...」
「俺のDOLLだ...
何しようと
お前にとやかく
言われる筋合い...」
「ふざけんな!!」
怒りに任せ桜木の
襟元を捕まえる柊音
「そりゃ
こっちのセリフだぜ」
柊音に襟首を掴まれたまま
桜木は落ち着いた瞳で
柊音に言い放つ
「あんな場所に
森ちゃん帰して一人
ふてくされてる
お前なんかに
言われたかねぇよ」
「上等だよ...」
荒々しくも静かに
闘志を燃やす二人
そして...
3人の
不気味で奇妙な
共同生活が始まる

