「森園は...
事務所へ一度
連れて帰る...
お前は頭を冷やせ...」
「...」
「行くぞ」
飯岡が乙羽の腕を引く
「柊音...
今まで...
ありがとう...
あたしのコト、ちゃんと...」
喉の奥にこみ上げる
ツンとした痛み
ちゃんと...
言わなきゃ...
乙羽はその痛みを
喉の奥へと押し込み
「ちゃんと...
大切に扱ってくれて...
ココにいるとね
全てを...
忘れてしまいそうだった
借金のコトも...
自分が...
DOLLだっていう事も...」
...ト..ワ...
部屋を飛び出す乙羽
エレベーターの前を駆け抜け
階段を降りる
酷い去り方...
こんな風に柊音の元を
去るくらいならいっそ...
返品された方が
よかった...
そしたら...
柊音を...
傷付けずに済んだのに...
お互いがお互いを
思いやる気持ちは
時に二人を
激しく傷つける
こらえてた涙が
堰を切ってあふれ出す
こんなにも...
柊音のコト...
好きになって
いたなんて...
限界だった...
自分の気持ちに
DOLLという重石を乗せ
封じ込めていたツケは重い
乙羽が出て行った
ドアを呆然と見つめ
立ち尽くす柊音

