DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


「.....
 
 お金は全部...


 借金の返済に
 充てているの...」


乙羽は自分が今
ココにいる理由を
静かに話し始める...


両親を亡くし
兄妹二人で
生きてきたこと...

兄の死...

巨額の借金...


全てを話したのは...


動き出す柊音を
止めたかったから...


どうすることもできない
現状を知れば
いくら柊音でも
あきらめざるおえないと
思った...

それほど...
あたしに科せられた
借金の額は巨額で...


「...」


乙羽がここにいる
理由(ワケ)を
知ってしまった
柊音と桜木
 

「そか...

 じゃぁ、尚さら
 こんなトコに乙羽を
 置いとくワケにはいかない」


「でも...

 ココ以外、他に
 借金を返すあてなんて...」


乙羽が言うと


「借金は...

 俺が何とかする」


そう言い柊音は
残ったワインを飲み干した


 ...ぇ


「何とかって...

 俺らに何とかできる額じゃ...

 それに...
 DOLL辞めさせちまったら
 もぅ、側に置く理由なんか...」


「ぃぃんだ..それでも...

 乙羽は...
 こんなトコで
 こんなコトしてちゃ
 ダメだ...」


優しい瞳で見つめる柊音


 シオン...


「ま、これは単純に...
 俺の問題なんだけど...
 
 もぅ...
 乙羽を誰かと共有なんて
 俺には無理なんだ...」


「で、でも...
 ぁたし、帰る場所も...」


「看護師...

 こんなトコにいるより
 乙羽には看護師の仕事を
 してほしいんだ...」


「も、森ちゃんって
 看護師なの?」


驚く桜木に
乙羽は小さくうなずく


 そう...

 つい数日前までは
 それが...
 あたしにとって
 望んだ未来だった...

 だけど...今は...


乙羽は下をうつむく


「なぁ、柊音...

 俺もその方が
 いいと思う...

 でも、それって
 そんな簡単なコトじゃ...」


「簡単だろ?
 DOLL辞めりゃいいんだから」


「そうなんだけど...

 もぅ、全てが
 動き始めてんだ...

 金も..事務所も...

 森ちゃんの気持ちも..な...」


うつむく乙羽に
優しく視線を落とす桜木