DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


片付けを終えると
セリフ覚えのある桜木を気遣い
乙羽は早々に
部屋へ引き上げる


「ぁの...//
 ぉ休みなさい」


「ぁぁ」


乙羽が部屋に入ると
桜木は台本を開き
セリフを覚える

隣室に眠る
乙羽を気遣い桜木は
ブツブツと小さな声で
セリフを呟く

(セリフ)
『あいつの事...

 幸せにできないなら
 俺に..譲ってくれよ...』


パタン...

セリフを呟き
台本を閉じる桜木


「はぁ...」
ため息混じりに
ソファーに深く埋もれる桜木


どうしても...
何をしても...
乙羽が気になる


 クソッ...


桜木はクシャクシャと
頭をかき乱しながら
キッチンへ行き
冷えた缶ビールを取り出し
それを一気に飲み干す


 フゥ...


それからビール片手に
セリフを覚えるが何も
頭に入ってこない

時折、聞こえる
部屋からの小さな物音に
乙羽の存在を意識してしまう


 まだ...
 起きてんのか...


部屋の扉を見つめる桜木




コン、コン...


「森ちゃん...

 まだ...
 起きてる...?」


少し遠慮がちに
小さな声で問いかける桜木

...ガチャ

ドアが開き乙羽が顔を出す


「ゴ、ゴメン//
 寝て...た?」


「ぅぅん」


すると桜木は
缶ビールを二つ
乙羽に見せる


「どぉ?」


「ぅん//」


乙羽は快く
リビングへ出てくる

少しラフな
部屋着姿の乙羽を桜木は
まともに見ることができない

桜木が飲み干したビールの
空き缶を拾う乙羽を
思わず背後から
抱きしめてしまう桜木

カラン..カラン..カラーン


驚いた乙羽が思わず
拾った空き缶たちを手放す


「サ..//
 サクラギ..クン...?」


「//」


「も、もぉ//
 飲みすぎ...//」


驚きのあまり
身動きできない乙羽