すると...
ガチャ...
突然、閉ざされたはずの扉が開き
慌てて台本を読んでる
フリをする桜木
「ぁの...」
申し訳なさそうに
声をかける乙羽
「ん? どうかした?」
どうしても顔が
わざとらしくなってしまう
のをどうしようもできない桜木
「ぁの...//
明日の...
朝ごはん...なんだけど...」
「ぁぁ、ゴメン。
俺、明日早いからさ
マネージャーにでも言って
買ってきてもらって
置いとくから...」
「//
じゃなくて...///」
頬を赤らめる乙羽
「明日の朝
キッチン使っても...
いいですか?
後、食材も...//」
「...?
イイけど...
食材って...
何もないよ...
何か食べたいもんがあんの?
俺が今、買ってこようか?」
「//」
乙羽は首を横に振る
「?
別に好きに使っていいけど
今はちゃんと身体
休めた方がいいよ...」
「ぅん
ぁりがとう...」
乙羽は軽く頭を下げて
再び部屋の中に消えた
またしても
そのドアに視線が
釘付けになってしまう桜木は
頭をフルフルと振り
「集中!集中!」
そう自分に言い聞かせ
台本を開く
一方...
乙羽はベッドの足下にうずくまり
膝を抱える
部屋の隅に重なる
桜木の服が今にも
崩れ落ちそうで
クスッ...
お兄ちゃんもよく...
洗濯物を部屋に
溜め込んでたっけ...
そんなことを考えながら
ウトウトしていると
外が白々と明け始めてくる
ガタッ..ゴトッ...
リビングから聞こえる
わずかな物音に
ふと、目を覚ます乙羽
「桜木クン...
もぅ、起きたんだ」
乙羽は立ち上がると
一度、その場で
「ぅーん」と
大きく伸びをしてから
そっとドアを開け
リビングに顔を出す
リビングにはすでに
桜木の姿はなく
奥の方からかすかに
水の音が聞こえてくる
乙羽は部屋を出て
キッチンに行き
朝食の用意を始める

