DOLL・・・ ~秘密倶楽部~


「本当に...
 医務室行かなくても平気?」


警官が心配そうに
乙羽の顔を覗き込むと


「ハイ、もう平気です//」


少し顔色の戻った乙羽が
頬を赤く染める


「嫌なこと
 思い出させて
 悪かったね...
 
 でも、お陰で
 傷害も引っ付けて再逮捕
 することになったから」


「傷害?」


「強盗致死傷罪といってね
 強盗目的で他人に負傷
 または死亡させた場合
 無期、または6年以上の
 懲役を科すことが
 できるんだ
 
 彼は他に、銃刀法違反や
 器物破損の疑い、叩けば
 まだまだ余罪も出て
 きそうだし...
 最低でもこの先10年は
 固いんじゃないかな」


「10年...
 そんなに...」


乙羽は自分の額の傷に触れる


「女の子の顔に
 傷付けて10年とは
 いささか物足りない
 気もするけど...」


「...そんな
 たいした傷じゃ...」


「キミ...
 変わってるね...

 傷の大きい、小さいは
 関係ないんだ...

 誰かを故意に傷付ければ
 例えそれが、かすり傷程度
 だっただとしても罪になる

 見える傷だけじゃない
 被害者の心情も考慮される

 それに...
 7針も縫えば十分
 たいした傷だよ」


「な、七針?」


桜木が驚き乙羽を見る


「//」


乙羽が前髪で
ガーゼを隠すようにすると


「...ゴメン」


桜木は首をうなだれる


「ゴメンだなんて...

 本当に桜木クンには
 とても感謝してるの

 あの時もし、桜木クンが
 来てくれなかったら...

 あたし今頃...
 どうなっていたか...」


 だからお願い...

 どうかこれ以上
 自分を責めないで...


責任感の強い桜木は
あの日からずっと
自分の事を責め続けている

それを知っている乙羽は
桜木に感謝の言葉を伝え続ける


「そうだね
 
 強盗犯に飛びかかるなんて
 訓練されてる自分たちでも
 容易にできることじゃない

 キミはとても勇気がある」


自分を追い込む桜木を
警官が褒め称える