下駄箱で水嶋を待っていた。

すると、入試を終えたばかりの水嶋がやって来た。

すかさず、健二が声をかける。

水嶋は適当な返事をすると、そのまま通り過ぎようとした。

健二が必死に引き止めると、水嶋は俺らの横に座った。


・・・久しぶりすぎる。

水嶋がこんなに近くにいるのは。


しばらく、話した。

水嶋は前と変わらない様子だった。

だから、安心したんだ。

またまた、健二が気をきかせて俺ら二人だけにさせた。


自分もずっと水嶋のこと待ってたくせに。

水嶋と話したいくせに・・・。


「水嶋、俺らのこと避けとっただろ?」

俺は、直球でそう聞いた。

「そんなことないよ、ただ、
 受験でちょっとピリピリしてたから」

本当かよ!?


「そっか~、ならよかった!!
 俺、避けられとると思っとった・・・」

俺はそう言って笑った。


また、水嶋と普通に話せた。

隣に水嶋がいて笑ってくれる。

ただそれだけのことなのにすげぇ嬉しい。


「水嶋と話しとるとやっぱすげぇ楽しいな」

「・・・そう?」


やっぱ、俺には水嶋しかいない。


俺が、ここまで好きになれる女は水嶋しかいない。