運命のヒト

「・・・元気?」

水嶋は、恐る恐る聞いてきた。

「うん、俺は元気やけど、水嶋は?」

俺も、同じ質問を水嶋に投げかけた。


「うん、元気だよ」

「そっか・・・」



・・・・・沈黙が続いた。


何で、俺と話す気になったかとか、俺のことどう思ってるんやとか、聞きたいことはいろいろあったけどなかなか聞けなかった。


水嶋は俺に何か話があるからここに呼び出したわけやし・・・。


だけど、今ここに水嶋と一緒にいるってことがすごく嬉しかった。


俺は、はやる気持ちを抑えて水嶋に問いかけた。


「何か話しあるんだろ?」

すると、水嶋は小さく頷いた。


「何でも、聞くし」

「・・・何でも?」

「おぉ~」


何を言われても、ちゃんと聞こうと思った。

例えそれが、俺にとって嫌なことだとしても。


すると、水嶋はいきなりこんな話を始めた。


「健ちゃんってさ、優しいよね」

「健二?」


俺は、何って言ったらいいのか分からなくなった。


ここでも、健二の話かよ?


たぶん、すげぇ顔に出ていたと思う。