運命のヒト

「優士!遅いよ!!」


俺が健二と下駄箱につくと、神田が待ちくたびれた顔をしていた。

「わりぃ、わりぃ」

俺はそう言って、神田と一緒に帰ることにした。



「今日、体育の時ね・・・」

帰り道はいつも、神田が今日あったことを話してくれる。

っていっても、ほとんど一緒にいるわけだけどさ。


俺は、時々相槌を打ちながら神田の話を聞く。

それが帰り道の過ごし方。



「今日、優士ん家行ってもいい?」

ボ~っとしてる俺に、神田が聞いてきた。

「いいけど・・・」

「やった~!」


神田は俺の家に来ることになった。


別に、俺の家に来ても、楽しくねぇと思うけど・・・。



「優士の部屋は落ち着く~」

神田はそう言っていつもの低位置に座り込む。


付き合い始めた頃から、今まで・・・。

神田は何度、俺の家に来たんだろう?

俺も、神田ん家によく行ったなぁ・・・。


そんな神田の横に座り、俺はそんなことを考えていた。


俺の部屋には、神田からもらったものや、二人で買ったものや、写真やいろんなもんがある。

俺らにとって思い出のものがいくつも飾られている。


これは、全部、神田がくれたもの・・・。


俺らの付き合いはもうすぐで5年。

改めて見ると・・・5年って長いなと思う。


俺は、今、15歳。


生まれて今までの三分の一の時間を付き合ってるってことか・・・。

そう考えてみると・・・すごい歴史を感じた。