運命のヒト

それから、数日経ったある日のこと。


俺は、サボってるのもどうかと思って、一人教室に向かった。

確か、健二は教室におるはず・・・。

教室に入って、健二を探そうとしたその時。


「いってぇ~!」

いきなり誰かがぶつかってきた。

「ごめんなさい」

俺がでけぇ声を出していると、すぐに謝ってきた。


振り返ってきた女の顔を見て、俺はびびった。


・・・水嶋・・・・。


あの図書室の日以来、水嶋を見ることは一度もなかった。

俺は教室に来てなかったし・・・。


正直、気まずい・・・。


「わぁ~、ごめんごめん!!」

そんなことを思ってる俺をお構いなしに、水嶋は慌てた様子で謝ってくる。


そんなことぐらいで俺、怒らねぇけど・・・。


「別に痛くねぇよ・・・」

俺は、冷たくそう言い放った。


早く、ここから去ってしまいたい。

そう思った。


「よかった~」

水嶋はなぜか安心した顔でそう言った。


ってか、お前、俺の足踏んでるけど・・・。