運命のヒト

「・・・で、優士、お前はいつ
 桃子に告るんや??」

健二がそう聞いてきて、俺は遠くを
見つめた。


「あいつはどこにおるんやろうな?」

さっきからずっと探してはいるけど、
あいつの姿が見当たらない。


「桃子のことやから、トイレで一人
 卒業したくないとかって
 泣いてるんとちゃうか?」

「それはないだろ・・・」


俺は健二とそんなことを話していた。


女は大体泣いてた。

水嶋の顔はちゃんと見てなし、
分からないけど、あいつは泣き虫だから
絶対泣いてると思う。


俺らは写真なんて撮らなかった。

一応、カメラは持ってきてるけど・・・。



「何か明日から学校来んでえぇとか
 実感ないよな?」

健二がそう呟いた。

「何か俺、今日が卒業式っつ~
 実感すらねぇけど・・・」

俺もそう呟いた。


俺らがそうしんみりしているところに、
バタバタと誰かの走る音が聞こえてきた。

・・うるせぇな・・・。


バタバタと足音が聞こえていたと思ったら、
その足音はなぜか俺らの前で止まった。


誰や!?

俺はキレ気味で顔を上げた。


「あ~、優士君達、ここにいたの?」

小田かよ・・・。


怒鳴ってやろうと思っていたけど、
その気すらうせた。