運命のヒト

俺は急いで下駄箱に向かった。

だけど、健二はいなかった。


ここにいないってことは・・・。

俺らにはもう一つのたまり場があった。


一人になりたい時、行く場所。

ここは、俺と健二だけの秘密のたまり場。


・・・思った通り、健二はここにいた。


「・・・よぉ!」

俺は力なく、そう言った。

「優士、ごめんな・・・」

健二の弱々しい声。


「何がだよ?
 別にお前は何も悪くねぇだろ?」

「桃子、どうだった?
 やっぱり、泣いてたか・・・?」

・・・やっぱり、落ち込んでるし。


「泣いてたけど、健二のことでじゃねぇよ」

俺がそう言うと、健二はどういうことだ?って聞いてきた。


「俺ら、別れたわ・・・」

その言葉で、健二が理解できるはずがなかった。

「何で?何でや??」

何回もそう聞いてきた。

「いろいろあってな。
 神田のこととかいろいろ・・・。
 で、別れることになった」

「美鈴?美鈴が関係してるんか?」

「・・・ちょっとだけな・・」


健二はすぐに分かったのだろう。

ここのとこ、神田がやばいこと。


かなりやばい奴とつるんでること。

その男達に身体を売ってること。

しかも、金をもらって。

いわゆる、売り・・・。


それだけじゃない。

夜な夜な町に出て、もっとやばいことをしている。


それをきっと、水嶋は何らかの形で知ってしまった。


そして、神田がそうなったのは自分のせいだと思ってしまったんだと思う。

あいつはそういう奴だから・・・。