運命のヒト

キン~コン~、カン~コン~


チャイムの音が鳴り響く。

それすら、悲しい音に聞こえた。


いくら考えても、俺は別れる気は少しもしなくて、別れるって決めた水嶋がどうしても理解できなかった。


「俺は諦めんからな!」

最後の悪あがき。

そう言い放って、その場を離れた。


ずっと、一緒にいたかった。

ってか、いるつもりだった。


だけど、水嶋は俺と一緒の未来を望まなかった。


俺のことを嫌いになったわけではない。

それが、かろうじて心を救ってくれた。


きっと、水嶋は俺が去った後も泣いているはず。

だけど、抱きしめてなんてやれねぇよ。

俺がそんなことをすると、あいつはもっと苦しむ・・・。


教室に戻ると、小田が駆け寄ってきた。


「優士君、桃子は?」

小田は心配そうな顔をしていた。

「水嶋んとこ行ってやってくんねぇかな?
 倉庫の裏、奥にいんだけど・・・」

俺は小田に頼んだ。

すると、小田は走って出て行った。


それから、俺は下駄箱に向かった。


きっと、健二は下駄箱にいる・・・。