運命のヒト

「指輪失くした事、怒ってねぇし!」

怒りに任せて、感情的にそう言い放った。


「違うの。それが原因じゃないの。
 もう、ゆぅ君と一緒にいられないの。
 本当にごめんなさい・・・」

指輪を失くしたことが原因じゃない?

俺と一緒にいれらない?

なんでだよ?なんでそんなこと言うんだよ?

昨日まであんなに笑い合ってたじゃねぇかよ?

あんなに好きだって言い合ってたじゃねぇかよ?

もしかして、またあいつらに何か言われたのか・・・?


「誰かに、何か言われたんか?」

「何も言われてないよ・・・」

「だったら、何でなんや?
 何でも話せって言うただろ?」


俺らの約束。何でも話す。

だから、何でも思ったことを話してきた。


水嶋は何かを決心したように話し始めた。

「美鈴ちゃんのこと裏切れないから・・・」

美鈴ちゃん・・・神田のことだな。

「神田に何か言われたんか?」

また神田の野郎が何かやったのかと思った。

俺は怒りを抑えきれなかった。

だけど、水嶋はそれを否定した。


「美鈴ちゃんには何も言われてないよ。
 私が、美鈴ちゃんのこと、裏切れないって
 思ったから・・・」

「神田のことは関係ないだろ!?」

いつまで、神田のことを引きずるつもりだよ。

もう、あいつとは一切関係ねぇのに・・・。


「もう、神田とは終わってるだろ?
 もう関係ねぇんだよ!!
 何で神田のことそんなに
 気にするんだよ?」

「分かんないの?友達だからだよ?」

「神田はもう、そんなこと思ってねぇよ」

言ってはいけない事、水嶋が一番気にしていることをとうとう口に出してしまった。


俺はいつまでも、神田に振り回されたくなんてなかったんだ。