運命のヒト

目的地に着き、そ~っと奥を覗くと、水嶋が声を押し殺して泣いている姿が見えた。


健二、言いすぎなんだよ。

んな、怒らなくていいし・・・。


「・・・水嶋?大丈夫か?」

俺は、優しく声をかけた。

水嶋はそっと顔をあげた。

だけど、すぐにうつむいた。


一瞬だったけど、水嶋の顔が見れた。

すげぇ泣いてたのか、目が真っ赤になっていた。

俺は、黙って水嶋の隣に座った。


「健二もさ、言い過ぎたって後悔しとるし」

なるべく優しく、そう言った。

早く泣き止んでほしくて、頭を撫でた。

「だけん、落ち着いたら教室戻ろうな。
 給食も食べんといかんだろ?」

「・・・ごめんなさい」


水嶋は泣きながら何度も謝ってきた。

何に対して謝ってんだろ?

やっぱ、指輪を失くしたことか・・・?

俺が怒ったとでも思ったのか?

それとも、健二とケンカしてしまったからなのか?


「水嶋、指輪ホンマに失くしたんか?」

泣いている理由が知りたかった。

「うん。ごめんなさい・・・」

「そっか、でも見つかると思うわ。
 一緒に探してみようで!!」

学校なんて、せまいしすぐ見つかるだろうと言ってやった。


だけど、一向に泣き止まない。


水嶋、何でそんなに泣いてんだよ・・・?


俺は、お前に笑ってほしいんだ・・・。