運命のヒト

水嶋の手は冷たい。

きっと、心が温かいからだろうな・・・。

一緒に帰るのも、今日で2回目。


「ゆぅ君ってね、卒業したら何の仕事
 するの?」

水嶋に話をふられた。

おっちゃんのとこで働くこと、話すいいチャンスかもしれねぇな・・・。


「俺、おっちゃんのとこで働くことになった」

「・・・本当?」

「うん。俺の腕いいんやって~」

「やったじゃん!!」

水嶋は自分のことのように喜んでくれた。


「水嶋のおかげかも。だってな、水嶋に指輪
 渡すために仕事やったわけやし」

「違うよ~。ゆぅ君ががんばってたから
 叔父さんも認めてくれたんだよ」

・・・そうなのか?

今、思ったけど、水嶋って俺のことずっと前から『ゆぅ君』って呼んでんだよな。

健二は俺のことが好きだからだろって言ってたけど、どーなんだろ?


「なぁ~、ずっと気になってたんやけど、
 水嶋 って俺のことずっと前からゆぅ君
 って呼んでるだろ?何でなん・・・?」

気になって聞いてみた。

「えっ?何でって?」

「他の女とかはだいたい名字で呼ぶだろ?
 ゆぅ君って呼ぶん水嶋だけやし・・・」

俺、水嶋意外からは大体名字か優士君って呼ばれてるし・・・。

「えぇ~、桐島君って呼ぶほうがいいの?」

水嶋はそう言ってすねてしまった。

俺は、ヤバイと思って必死になった。


「違うって!!
 何でかなぁって思っただけやって!!」

「私だけの呼び名がいいの~!!
 私、好きな人のことは名前で呼ぶの~」


好きな人のことは名前で呼ぶの~だって?それって・・・健二が言ってたあれだよな?


だけど、ちょっと待てよ。


つ~ことは、健二やヒロのことも・・・。