運命のヒト

調理実習の時、男と仲良さげにしているとムカついたし、図書室で、男と楽しそうにしているのを見た時は、俺、思わずお前のところに行ってキレてた。


三年になって、クラス替えの紙をもらった時は、一番にお前の名前を探した。

お前と俺の名前が同じクラスにあった時は、飛び上がるぐらい嬉しかった。


お前はヒロとすげぇ仲良くて、出来てんじゃねぇかって思ったりもした。

二人が一緒に笑って話しているところを見ると、すげぇ切なかった。


俺は水嶋のことが好きだ・・・。


そのことに気付くと、どうしてもお前を想わずにはいられなくなった。

だから、俺は神田に別れを告げた。

それからは、ずっとお前と一緒にいるようになった。


毎日がすげぇ楽しかった。


でも、あの頃の俺は、お前と少しでも近くにいられるだけで本当に幸せだったんだ。

だけど、人間の欲ってすげぇな・・・。

俺も、欲が出てきた。

水嶋を俺のものにしたいって思うようになったんだ。


俺は一人っ子で、親に溺愛されて甘やかされて育ってきた。

何でも思い通りになってきたし、欲しいものなんていつも簡単に手に入った。

今まで、手に入らなかったものなんて何もなかった。


俺が初めて心から愛した人は、水嶋だった。


だけど、水嶋はそんなに簡単に手に入らなかった。


・・手に入らなかった・・・。

そういう言い方は間違っているのかもしれない。


だけど、水嶋は俺にとって、本当に遠い遠い存在だったんだ。