「……新しいコをご所望ですか?」


芝樹はゆっくり頭を上げると、そう尋ねた。


「えぇ…どうしても新しい人が必要なんです…」
「…ですが、ただいま当店に残っているコは、一人だけですが…?」
「えぇ、彼でいいのでお願いします。」

さちは、残りが一人であることも、それがどういった人なのかも分かっていた。


…彼は確か…見た感じ、私と同じぐらいなのよね…それなら話も合うし、父さんも結婚を許してくれるわよね…


彼女が黙ると、芝樹は奥の部屋に向かって歩き始めた。





それから数分が経った後、芝樹は「彼」を連れて出てきた。

「彼」はポロシャツにジーンズといった格好で、さちは、爽やかな印象を受けた。


「お待たせいたしました、お客様。」


芝樹が笑顔で話しかけた。