ズルい君



「はい。それでは教科書あずかります♪」


ニコニコと笑う愛。



……はい?;


「バカ言わないで、次の授業で使うでしょ。」

「見せてって言いなよ♪」

「誰に」


「長瀬君。」


「む、無理に決まってんじゃん!!!返せ教科書!!」


手を伸ばしても
愛は教科書を
後ろに隠した。



「あ、授業始まる♪じゃあ頑張りなさい!!」

チャイムが鳴り、
生徒が次々と
席に座る。

「ちょ……愛!!;」

愛は席に座りながら


「…あたしと彼氏のキョリは遠いケド、
あんたらのキョリなんて…25㎝くらいでしょ!!!そのことに感謝して頑張んなきゃ!!」