「物好きもいるもんだね。」

呆れながら言う。


「そりゃぁ格好いいもん!!」


真顔で言う茜。


格好いい…か…。


英にぃも玖城先輩も本性は最悪よ?


てか茜がこんなに言うの…珍しくないか?



「何?茜もあの人好きなの?!」



気になって単刀直入に聞いてみる。



そしたらとんでもない解答が返ってきた。


「好きって言うか…私は新庄派閥だから…。」


な…なんじゃそりゃ。


派閥?


いつの間にそんなのが…。


「…ん?ちょいまて。新庄派閥があるって事は…」


「当然、玖城先輩や真波先輩のも。」


…ですよね。


「更に言うと玖城先輩派閥は通称『皇帝倶楽部』、真波先輩派閥は『王子ファンクラブ』、で新庄派閥ば『新庄先生派』となります。」


なんか…英にぃのとこだけそのまんまのような…。



ま、いいや。それよりも玖城先輩。


皇帝って…。


「因みに、あんたがつい最近まで持ってたゴールドバッチ。あれ、皇帝倶楽部の連中にemperor limitって呼ばれてた代物だから。」


…はぁ?


なにそれ。


「ちょっちょっとまってよ茜。エンペラーリミットって…」


皇帝限定って意味じゃん。


「そう、しなくていい怪我を華南はおったことになる。」


しなくて良い怪我………。


ガクッと力が抜けた。


皇帝限定。


つまり。


私は先輩の特別と思われていた訳だ。


「ははははは…。」


乾いた笑いがこぼれる。

ばかばかしいにも程がある。