「てかなんであの人が1位なのか分かんない。」



変人奇人。



何処が格好いいんだか。



「そりゃ王子になびかない華南からすれば新庄先生の格好良さは分かんないだろうね。」



王子に…か…。



玖城 啓志先輩。



私が初めてあの人と出会ったのは入学式翌日だった。



『君…。』



















入学式に遅刻して出席出来なかった私は、クラスの子達が騒いでる理由なんか知らなかった。



五月蝿いなぁ、最初はそうとしか思わなかった。



一年生では茜ともクラスが違ったから話す相手もいなく、私は孤立していた。



そんな入学式翌日のこと。



「だるっ…。」



誰と話すこともなく、逃げるかの様に教室を抜け出して。



私は中庭のベンチに寝転んでいた。



春うらら。



そのうちうとうとと眠くなり寝てしまっていた。



そして起きたとき、横に玖城先輩がいたんだ。



2つ連なり置いてあるベンチの片方に座り、本を読んでいた。



「……。」



誰?



最初は思考回路が動かずボーッとしていた私。



けどかけてあるブレザーに気付き、そのブレザーに着いてある校章の色を見て動き出した。



うちの学校は学年別で校章の色が違う。



細長く作られているそのバッチは胸ポケットに装着を義務づけられていて、青・赤・黄の三色で構成されている。



「先輩…ですか?」



そのバッチの色は自分のバッチの色と異なる色だったため、自動的に先輩となる。



「君…。」