「あ、そう。」



それだけ?!



もっとこう…心配とか…ないか。



茜だもんね。



でも自分でふっといてその返しはないと思うよ。



「さて、一時間目は性格は難アリだけど格好いいからまぁ良しの教師ランキング1位鬼の新庄先生の楽しい楽しい数学だ!!」



…長いっ!



茜はそう自分から話を打ちきると数学の教科書をとりだしにたりと笑う。



「数学だけ不得意の華南は可哀想だねぇ。」



くっ…。



楽しそうに言いやがって。



鬼の新庄もとい兄、英にぃは何故かいつも私を攻撃的に当てまくる。



私が数学を不得意としているのを知っているにも関わらずっだ。



しかも授業中はめっちゃ怖い。



私語をすればチョークが飛び、遅刻をすれば小テスト。



更には三回欠席で試験資格剥奪と言う横暴っぷり。



鬼と呼ばれるのも無理はない…。



寝ることも許されず逃げることも許されず。



当てられて、解答出来なければ爽やかな笑顔で毒づかれる。



恐怖…。



正に鬼。



しかし誰もそれをとめようとはしない。



何故なら授業以外は職員室か研究室にとじ込もり、顧問もしてない為、その姿を授業でしか見られないから。



更に、授業中はそんなんだから笑顔なんてその時しか見られない。



でも皆は知らないんだ。



毒づいてる時の英にぃのオーラを。



どす黒くまがまがしい空気を。



あの人は…ドSだ。