「…華南。」


「はい。」



それを理解した途端、一気に地に落とされる。



嘘だと…?



「じゃぁ今の好きはなんの好きだ。」



声のトーンも落ち、鋭い目で華南を見る。



「それは…」



それは?



はっきり言え。



よくも俺を騙したな。



「それは?」



俺の変わりに圭が聞く。



「…玖城先輩が持っているお茶菓子…。」



華南はそう言いづらそうに答えた。



…茶菓子…。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁ。」



大きくため息を吐く。



そう、実は手ぶらじゃいけないと、茶菓子を持参して訪れていた。



その持っていた紙袋に目を落とす。



そうか、それで華南はあんなに機嫌が良かったのか。



「ほら。」



ため息を吐き終わるとそれを華南に差し出した。



「有り難う御座います!!」



嬉しそう…。



一気にテンションがあがって一気に落ちて。



華南の言葉一つで一喜一憂。



俺って…。



「なぁ姫谷、質問していいか?」



紙袋から綺麗に包装された箱を取りだし嬉しそうに眺めていた華南にふと元町が話しかけた。



「なんですか?」


「新庄って、お前の何?」



……………………。



単刀直入。



さっきの俺と同じように元町はずばっとその質問を投げ掛けた。



「…………は?」



一方の華南は何言ってんのと言わんばかりの反応をする。


「だから、数学の新庄 英先生。こないだ見たんだよ姫谷が新庄と楽しそうに喋りながら出てきたの。」


おいおいおい。


そこまで言うのか?!