俺様王子の秘めゴト

それだけ伝え部屋を出ていく理事長。



「僕も失礼します。」



その後すぐ来たばかりなのに踵を返す魔王。



処が。



「姫谷さん、ちょっと話したいことがあるんだ。」



一緒に来てくれないかな?と、皆まで言わず私を見る魔王。



にっ…逃げられない。



逃げられる訳がない。



「か…畏まりました。」



出来ることと言えば、最大限気を配り奴を怒らせないこと。



多分既に怒っているとは思いますが。



頷き魔王の後に付いていく。



その結果、二週間ぶりに生徒会室に足を踏み入れることになった。



「華南ちゃん!!!」



生徒会室にはいるなりあゆ先輩が飛んできた。



「ども、その節はお騒がせ致しました。」



茜が。



頭を下げる。



「別に、つか何用?」



三郷先輩が聞いてくる。



「えっと…会長に見つかりまして…。」



逃げ切れなくなりました。


全てを言わずとも理解した三郷先輩は「あぁ。」と呟く。



申し訳ないです、何となく。



「おい華南、こっちこい。」



ど低い声で呼ばれる。



魔王がお怒りの合図。



「はっ…はい!!」



だから私は慌てて向かう。


会長席前。



椅子に座る魔王と前に立つ私。



心臓が心拍数をあげ始める。



正直怖い。



それもかなり。



「あのっ…」
「なんで俺の補佐辞めた?」



単刀直入。



まじですか…。



「そのですね、えっと…。」



言えない。



何故か、この人の前に立つといつも何も言えなくなる。