俺様王子の秘めゴト

「個展やるんだって?僕絶対行くよ!!」



これ校長。



「いえ…来ていただかなくて結構です。」



むしろ絶対にくるな。



校長は大の和もの好きで浴衣や着物、日本由来の物をこよなく愛しているらしい。



だから私が一年の頃、コンテストで大和撫子賞と特賞を同時入賞したのを良いことに校内に活け花を置くよう指示された。



また同時に私が華道家元の娘だと何処からともなく入手され、現在にいたると言うわけだ。



「どうしてだい?これはすばらいことだよ。学校で取り上げるべきだよ。」



そう力説する校長だが私は別に来てもらいたくない。



「いえ、結構です。」



断固拒否する。



「勿体ないですよ!!」



だからね…。



「まぁ、落ち着いてください。」



そこで今まで黙っていた理事長が口を開く。



「姫谷さんの気持ちは分かりました、しかしここで知ってしまったからには見過ごす事はできません。」



柔らかい物腰で。



うちの理事長は女性で、すんっごく美人さん。



「そこで、私からの提案なのですが、姫谷さんの意見を尊重し、公には公表しません。」



その言葉にほっとする。



なんで私が皆にこのことを知られたくないのか。



結局の処、お嬢様と言われたくないんだ。



ただそれだけ。



「しかし、学校代表として、生徒会役員及びその引率として校長先生には姫谷さんの個展に行っていただくと言うのはどうでしょうか?」



…………。



うわぁ。



それ意味ない。