にやにやしながらいろいろ
聞いてくる綾を振り切り
あたしは家に帰った
「はぁ～…」
自然にこぼれるため息
セイ本間どこ行ったんやろ？
全然帰ってこおへん
姿見えへんだけで
近くにおるんやろか？
「セイ…。」
その名前を口にした瞬間
何故か涙が溢れてきた
「な､なんで？」
止めようとしても止まらん涙が
ぽつぽつと冷たい床に落ちていった
その時あたしはやっと気付いた
あぁ､あたし寂しいんやって
知らんうちに
こんなにセイを好きになってた
ただあたしは
あんな奴を好きやって
気付きたくなかっただけやったんや
だってアホ神やで？
ありえへんやろ…
意地悪で嫌な感じで
すごっく嫌いなはずやったのに
認めたくないけど
すっごくセイのこと気にしてる
近くにセイがおらんくて､辛いって思う
自分がおる
本間に好きになるって
こおゆう事なんかな？
なら好きって気付きたくなかった
こんなに苦しいなら
本間の恋に憧れる
アホなままでおりたかった
