「…ねぇ、片桐君…」



「何?」



「なんでみーこ…あんなに機嫌が悪いの?」




由果が言ったとおり、この頃神子の様子が変なのだ



そんなこと殆どの人が気付いていた



神子は片桐と付き合ってからは、性格も少しはよくなってきた…はずなんだけど…



何故かここ数日、機嫌が悪い




「そんなの俺が知りたいし」



「だよね…あっ、そういえばもうすぐバレンタインだよね!」





バンッ



由果が『バレンタイン』という言葉を口にした途端、神子が机を叩いた



神子のそのしぐさによって一瞬で教室が静かになる




「みぃ、どうしたの?」



その音で由果と片桐に寄って来た椎名



「そんなの知らないよ…なんであんなに不機嫌なの~?」



「…あっ…もしかして…」



椎名が何かを思い出したかのようだ