−私には夢があった
いつか大好きな人と一緒に住んで
友達いっぱい呼んだ結婚式…
真っ白なウエディングドレスを着て
愛を誓い合うの…
子供と私と大好きな人と幸せな生活を
するの…



克也と一緒に住んで4ヶ月…。
あの事件は完全に忘れる事なんてできなかった。

克也はホストに行かなくなった。もちろん急にやめるなんて人気のある克也にはできない事で、店には体調が悪いと言っているらしい。

「お前が大丈夫になるまで、俺は一切店にはでない」

克也はその約束を守って、それから毎日私と一緒にいてくれる。

仕事がない克也には、まだ有り余る額のお金があったが、仕事をしない今の状態で克也に甘える事もできず、とりあえず私は近くのスーパーでレジのバイトをしだした。

時給820円。
克也からしてみれば『すごく安い金』らしい。

初めてのバイトで失敗もすごかった。
おつりを間違えたり、レジを打ち間違えたり…でも楽しかった。

バイトがない日は克也とデートに行ったり買い物したり。
喧嘩をしても、すぐ仲直りをする。
そんな克也との生活が楽しくて仕方なかった。

でもレイプされた日から克也は私を抱きしめる事すらしなくなった。

結局繋がれたのは、あの出会った日だけ。