意識が戻った、大村は高間を見つけると


何度も言葉を詰まらせながら話し始めた…




「慎平ちゃんが羨ましかった…生まれたころから元気で…」


「そんな…」


「でも、僕も走りたかった…こんな体で生まれなかったらって…」


「・・・」



「青戸が勝つと僕が勝ったみたいですごくうれしかった…


 でも、北鹿に負けちゃって…

 もう、僕は勝てなくなっちゃった…


 だから、ここに来たんだ…

 全国へ行ってみたかった…


 でも…井川さんをやめさせちゃったり…



  結局、慎平ちゃんの役には立たなかったね…








    ごめんね…慎平ちゃん…」