ぞろぞろとみんなが教室から出て行く中
あたしは憂鬱になりながらも、何とか教室を出ていた。
「・・・小枝様。」
「え?・・・あ、朱胡。」
「迎えの車が来てます。」
「あ・・・うん・・・。」
近づいてきていた朱胡にそう返して
あたしは、朱胡の横をゆらゆらと歩いていた。
パタン
やっとのことで車までたどり着いて、車に乗ったあたしは、盛大にため息をついた。
「なーにため息ついてんだよ。」
「だって・・・テストー・・・・」
「え?」
「次抜き打ちやるってー・・・数学ー・・・・」
「あーあ。小枝、数学ニガテだもんな。」
助手席に乗っている朱胡は、運転手の今井さんと何か話していた。
「んー・・・・」
2人の会話と、一定のリズムで揺れている車に
あたしはいつしか、夢の世界へと入っていた。

