「きれい……」柚稀は思わずといった感じで呟いた。 「日が暮れるとね、夕暮れがとても綺麗なんだ」 「そうなんだ」海をジッと見つめながら、そのあと柚稀は観覧車を降りるまで一言も話すことはなかった。 「柚稀、観覧車どうだった?」 「別に普通」といつものように無関心げに言った。 「でも……海は綺麗だった」とポツリと呟いた。 「そうだね、今度は二人でこようね」 そう言うと柚稀は意外なことにいいよ、と言ってくれた。