「柚稀、観覧車乗る?もしかしたらみんな見つかるかもよ」
「観覧車ってどれ?」
「あの大きい奴だよ」そう言って丸いお馴染みの建物を指した。
「高いところは平気?」
「うん」
「じゃあ行こうか」
途中で飲みものを買って、観覧車の列に並んだ。
「これ、どれくらい高いの?」
「パンフには高さ百メートルって乗ってるよ。」
「百メートルかぁ……」
柚稀が呆然とした様子で空を見上げていると、あっというまに順番が回ってきた。
「柚稀、足元気をつけて」
「わかってる」
そうは言っても、初めての乗り物に少し戸惑っている様子がわかる。
「いってらっしゃ~い!!」という女性スタッフの合図と共に扉が閉まった。
ゆっくりと頂上に向かって上がっていくにつれ、地上からどんどん離れていく。
「すごい、人が豆粒みたいに小さくなってく」
「椿たち見つけられるかな?」苦笑しながら柚稀と同じ窓から下を眺めた。
「小さすぎて無理だよ」
「そうだね。あぁほら、海が見えてきたよ」

