メリーゴーランドの列に並び、順番を待つ。
順番はすぐに回ってきて、すんなり乗ることが出来た。
「柚稀、どの馬に乗りたい?」
「一番近いのならなんでも」
動くのめんどくさいしね
「じゃあこの馬ね」
そう言って蓮が指さしたのは真っ白な凛々しい馬だった。
その馬を見て眉を潜めているうちに、蓮は僕の体を軽々と抱き上げ、馬に座らせた。
「よいしょ」
そしてあろうことか、同じ馬の僕の後ろに乗ってきた。
「ちょっと、これ一人乗りだよ」
ぐいっと押しやっても、蓮の体はびくともしなかった。
「柚稀は小さいから落ちたら大変だろう?」
そう言って、後ろから抱きしめてきた。
「やめてよ、子供もいるし、みんな見てるよ」
周りの視線が恥ずかしくって抵抗するが、虚しくもメリーゴーランドは動き出してしまった。
「ほら、ほんとに落ちるぞ。おとなしく座ってて」
わざわざ耳元で囁いた。その低い声に肩が無意識にビクリと跳ねる。
そんな僕たちの様子を椿や陸に見られて恥ずかしくていたたまれない。
メリーゴーランドが止まるまで俯いて、顔をなるべく見られないようにしていた。

