拓哉様はあたしを
ソファに座らせて言った。
「どうした?」
優しい声にドキッとしてしまうあたし。
起こった出来事を全部話した。
「…梨里香が戻ってきたのか…」
「あの、梨里香さんと言うのは
どういう御方なんでしょうか…?」
「藤堂屋ってあるでしょ?」
「あのでっかいデパートのことですか?」
「ははっ。そう、でっかいデパート。
あそこは梨里香んち。」
えぇ!?
めっちゃ金持ちやないかーい。
「やっぱり拓海様は
梨里香さんのことが
お好きなんですかね?」
「んとね、
まず俺と拓海と梨里香は幼なじみなんだ。
んで、梨里香の親が
うちと提携を結びたいとか
言い出して…年が近い2人が
…って話になったんだよ。」
「じゃあ…」
「そう、2人に愛は無いってこと。
少なくとも拓海は梨里香のことは
恋愛対象として見てない。」
ふぅ…
ちょっと安心した。
でも、問題は梨里香さんだ。